奥の近道

私なりに覚知できた覚醒と解脱の道を徒然に書き綴っていきます。
授かったばかりで、まだ塾講できていない内容も多くありますので、後に訂正したり削除したりする可能性もあります。決して正論でも、これが真実だ! でもありません。今はこういうことと向き合っていますよ、今はこういう本を読んでいますよ・・・良かったらご一緒にどうぞ・・・そんなとてもプライベートなメモ書きのようなページです。
ですから後々になって、成書とは違うじゃないか! などとクレームはしないでください。
また、ここがよく分からない、ここをもっとしっかりと教えて・・・などのQ&Aも困ります。
なぜなら、私自身が壁にぶつかって思案に明け暮れていることも書き綴っているからです。
大学教養部時代に通っていた哲学教授 森進一先生の自宅抄読会を懐かしく思い起こしながら、このページを育てていきます。
 

意識と遺伝子

「魂の誕生」で述べたように、数多のカルマたちが溶けたチョコレートの海のように広がる阿頼耶識に仏性が飛び込み、これから生まれ出ずる人生に必要なカルマを引き寄せ、自らまとって魂が生まれます。
 次に仏性は未那識に飛び込み、その人生に必要な悪念悪行、善念善業を引き寄せ、自らまといます。ここで家系的、家族的、人種的、時代的な運命的呪縛や輪廻もまといます。個人的な深層心理もここで形成され、個人の心が形作られますが、まだ肉体のない意識体の状態です。
 前五識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識)は肉体に付随します。魂が肉体を持った時、無意識界から意識界へと移ります。どんな肉体を持って生まれるのか? も魂の根源である仏性が予め決めてきた通りに前五識の中から引き寄せて決まります。
 肉体的に見れば、完全に遺伝子配列に制御されているように見えますが、なぜ人間に生まれたのか? なぜこの時代のこの国、この人種に生まれたのか? 男に生まれた・女に生まれた理由も、家族と家庭環境も・・・すべての根源は内なる仏性が携えてきた大いなる意図によるものです。
 運命は仏性が握っています。しかし仏性は、ひとつの人生の中で何千何万何億というオプションプランを持って生まれてきます。仏性は決してひとつの生き方を固守しません。仏性ですから、すでに今生のすべてのオプションプランの全貌が見えています。その中でベストな今生を歩めるように、日夜、様々な導きはしていますが、今生を歩む絶対的決定権は、常に肉体に宿る意識(顕在意識)に委ねています。
 今生を歩む上で、仏性は様々な形でアドバイスや警告を発してくれています。しかし阿頼耶識でまとった分厚いカルマたちの衣と未那識でまとった鎧のような悪念悪行たちが仏性の声を消し去ってしまいます。
 内なる魂の声、仏性の声が聞こえるようにするためには、瞑想やヨーガで無意識界に降りて行くと同時に、意識界と末那識と阿頼耶識をできるだけ浄化していかなくてはいけません。
 仏性の声がはっきりと聞こえてくるようになれば、運命を自分で決めることができます。仏性が望む最高の今生を歩めるようになってきます。何が起こっても、どんな不幸不運や災難に出くわしても、すべては順調だと確信が持てます。
 宿命とは、意識界の我欲・エゴ・煩悩や末那識の悪念悪行や阿頼耶識の悪しきカルマに翻弄されることです。宿命に逆らえないのは、これらの悪に押し潰された、染まってしまったからです。しかし、内なる仏性の声、せめて魂の声が聞こえるところまで内的な修行に励みながら意識界、未那識、阿頼耶識を浄化していけば、宿命を消し去ることができます。
 遺伝子毒:CV は、身心頭魂のどこまで浸透するのでしょうか?
 身体のDNA遺伝子に逆転写で侵入することが医学的報告でも散見されるようになりました。身体とこころが互いに強く関係し合っていることは、古からの東洋医学だけでなく、最近では西洋医学でも反論の余地のない事実になりました。CVは前五識を介して顕在意識・こころを支配する力を持っていることになります。
 CVの直接作用は、身体的病気、こころや気分の異常変調が主です。時には意識を異常変調させて悪夢や幻覚などの精神疾患様症状を起こすこともあるでしょう。
 CVは無意識界の未那識や阿頼耶識を直接冒し支配することはできません。CVが未那識の悪念悪行や阿頼耶識のカルマを直接書き換えてしまうことはできません。
 しかし、CVに冒され支配された五感:前五識は、より悪念悪行を増やします。CVに冒され支配された意識も、我欲・エゴ・煩悩をどんどんたぎらせます。これらが未那識に次々と落ちていくので、未那識は変容してきます。我欲・エゴ・煩悩が暴発した悪念悪行だらけの未那識になってしまうと、もはや未那識は間接的にCVに支配されてしまったも同然になります。
 悪念悪行の増加は、悪しきカルマを増やすことになります。悪いカルマ、病んだカルマが次々と阿頼耶識に降り注いできます。CVに冒され生じた悪しきカルマは、身心頭がCVに冒され支配された日常の中では、とても早く熟します。
 CVに冒される以前のカルマは、ある程度、仏性が予定していた時期に熟すことが多かったのですが、遺伝子を支配されると、もはや仏性が望んでいた身心頭とはまるで別人の如くに振る舞い、悪い事件を頻発します。カルマが熟す早さをCVが仏性から奪い取ってしまったかのように収拾がつかなくなってしまうのです。
 次々と悪しきカルマが熟し、身心頭魂を悪で染め上げていく。その身心頭魂が更なる悪念悪行をたぎらせて未那識を悪で染め上げる。阿頼耶識にも悪しきカルマを瀑布のように降り注いでいく。こうしてCVは阿頼耶識をも間接的な支配下に置くと共に、悪念悪行の循環サイクルを意識と無意識の間で完成させます。
 無意識界である未那識、阿頼耶識を仏性以外の何かに支配されるとどうなるのでしょうか?
 無意識界は人間ひとりだけの個人的世界ではありません。ひとりの人間の無意識は、人類の集合意識と繋がっています。ひとりの人間の無意識を支配できると人類の集合意識にアクセスできるようになるのです。これはCVが間接的にではありますが、人類の集合意識をも支配できるということになります。
 仏性はすでに分厚い悪念悪行と悪しきカルマで簀巻きにされていて手も足も出せません。魂の叫び声もまったく意識には届きません。
 CVに支配された顕在意識には、自我さえも朧気になってしまいます。荒れ狂う我欲・エゴ・煩悩の嵐に吹き飛ばされた凧のようになってしまうと、もはや魔人です。
 やがて仏性も魂も消えてしまうかもしれません。消し去ることができなくても、未来永劫出ることができない牢獄の奥深くに押し込めてしまうことはできます。すると仏性も魂もない身心頭だけの人間となります。
 仏性がない人間にとって、もはや善悪はありません。善は悪であり、悪こそが善の世界となります。悪だけの世界、悪だけの人間たち・・・集合意識を支配できたので、それまでの歴史も好きなように書き換えることができます。個々の内なる仏性も集合意識としての仏性も消し去ったので、もはや陰陽流転は起こりません。いくら悪を極め悪の太極に達しても、善の灯明は決して灯らないのです。
 仏性を失った身心頭は魔人と化します。魔人たちが闊歩する世界は、すでに魔界です。当然の如く魔界には仏性はありません。
 我欲とエゴと煩悩を焚きつけながら食毒・香毒・電磁波毒・薬毒・愛の毒を日々、天こ盛りに与えるだけで、人々は簡単に魔人と化してしまっていました。遺伝子毒を注入する以前から、この世は魔界と化していたのです。
 それなのになぜ遺伝子毒やシェディング毒が必要だったのでしょうか?
 徹底的に仏性保持者をこの世から炙り出して撲滅したかったのでしょうか?
 魔界と化したこの世を更に魔毒で染め上げて盤石な魔界にしたかったのでしょうか?
 そうまでしないと、宇宙の理である陰陽流転を消し去ることはできなかったのでしょうか?
 そもそも誰が何のために人類の集合意識を我が物にしようと目論んだのでしょうか?
 六道天界に住する天人たちには、そんな力はありません。天人にも悪念は内在していますが、悪念をそこまで燃えたぎらせると、いくら長寿の天人と言えども見る見る神通力を失い、最後は石と化して地獄界へ堕ちてしまうからです。これは天界の自浄力でもあったのですが、確かに最近は天界の天人たちの数が減ってきているのも事実のようです。
 他の六道の衆生にも、もちろんそんな力はありません。人間界を手中に収めた魔王にも、まだそのような力はありません。戦いに明け暮れる阿修羅にも、貪り喰うだけの餓鬼にも、畜生たちにも地獄の衆生にも、そんな力はありません。
 六道を解脱した神々はどうでしょうか?
 人間界を魔界と化して、怒り、憎しみ、恐怖、嫉妬、恨み、貪欲、傲慢、無智・・・あらゆる悪念悪行と悪しきカルマを燃え上がらせていくと、人間界は六道の溶鉱炉になってしまいます。わずかに残っていた仏性保持者たちも、この溶鉱炉から逃れることはできず、その身心頭魂はドロドロに溶けたマグマの中で跡形もなく消えてしまいます。
 しかし宿っていた仏性は灼熱のマグマの中でも消え去ることはありません。やがて仏性同士が引き寄せ合い玉鋼のように洗練された仏性が生まれます。
 六道の溶鉱炉は天界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界をも飲み込んでしまいます。天界の天人と修羅界の阿修羅たちの仏性も、この溶鉱炉に飲み込まれて灼熱のマグマに包まれながら浄化されていきます。そして玉鋼となった仏性に合一していきます。
 溶鉱炉と化した六道から産出される玉鋼には、もはやどの六道の仏性だったのか? はわかりません。六道すべての仏性が完全に浄化され、ひとつに溶けあった玉鋼になるからです。
 それは掌に乗るくらいの小さな玉鋼に過ぎないかもしれませんが、正しく仏陀そのものだと言えるでしょう。それは新たな仏陀の誕生と言えるかもしれません。
 新たな仏陀は、無限無窮の宇宙を創ります。新たな大宇宙、新たな六道と涅槃の誕生です。まるでコピペしたかのように同じ光明、同じ空性、同じ空と無の世界、同じ六道が誕生するかもしれません。まったく別の大宇宙が生まれるかもしれません。
 元の仏陀は元の大宇宙、元の涅槃に住されたままです。溶鉱炉と化していた六道もやがて冷えてきてくるでしょう。一点に凝集して銀河レベルの巨大なブラックホールと化すかもしれません。六道の燃えカスからは何も生じ得ませんが、仏陀が裸の特異点を越えて一歩踏み出せば・・・踏み出す前に新たな大宇宙が誕生しているかもしれません。それは真っ新な画用紙のような大宇宙で、元の仏陀は一から新しい世界を描き始めることができます。六道も涅槃も新たに描き始めます。
 元の燃えカスと化した大宇宙は、仏陀が踏み出した瞬間に無に帰しますが、この時、無の世界の中心で渦巻いている無の大渦が誕生します。空と無の世界には時空間がないので、この無の大渦は永遠にすべてを無に帰しているように見えますが、それは仏陀が裸の特異点を越えて一歩踏み出した刹那だけに顕現した大渦です。
 新たな仏陀が創った空と無の世界の無と元の仏陀が居た古い空と無の世界の無とは同質なので、無を介せば、どの仏陀の大宇宙へも行けることになります。元の仏陀が新たに創った大宇宙にも勿論行けます。無の大渦を介せば、どの仏陀のどの大宇宙へも行き来することができるのです。
 こうして新たな大宇宙、新たな仏陀が生まれます。
 そして、すべての次元宇宙は無で繋がっている理由もここにあります。

なぜ人間として生まれたのか?

2020年5月12日
六道輪廻には、天道、修羅道、人間道、畜生道、餓鬼道、地獄道の六界があります。
天道は天人たちが住む世界です。天人たちは喜悦享楽の日々を過ごしています。
その天人たちにも、まだ欲はあります。さすがに我欲はもう持ち合わせてはいませんが、もっと美しく、もっと楽しく・・・そんな「もっともっと」の欲が天界への執着を天人の中に育んでいきます。
この欲と執着が天人たちのカルマとなって大きくなり、やがて熟してくると、ある日、天人の寿命は尽きて六道輪廻のどこかに転生します。
天人にも魂があり、その中に仏性が宿っています。その仏性が「今度は天界に生まれる」と決めた時、天人となって何をしたいと思ったのでしょうか? 
地獄界での苦しみを癒やしたい、修羅界で負った無数の傷を癒やしたい、畜生界で抱いた憎悪怨念を忘れたい・・・ではなかったはずです。
なぜなら仏性は六道のどの界で負った悪念悪業のカルマも、善念善業のカルマも、魂を脱ぎ去って元の不滅の仏性に戻る際には、すべてのカルマを阿頼耶識に投げ捨てるからです。
元の仏性に戻って涅槃に帰ると、もう如何なる傷も悪念も消えた仏性になっています。それはまるで六道での壮烈な体験が夢幻でしかなかったかのように・・・。
否、涅槃には時空間はありません。無始である涅槃に住する仏性にとっては、六道は刹那の夢幻、ちょっとウトウトしながら垣間見てしまった幻影に過ぎません。
そんな夢幻に過ぎない六道の天界で、天人となった仏性は喜悦享楽の日々を過ごしています。
「うわぁ きれい!」「うわぁ 楽しい!」そして「次は何かな?」の「もっともっと」の欲と「天界って素晴らしい!」の執着が生み出すカルマは、天人にとっては善でも悪でもありません。
天人の魂には末那識に詰まった我執はないので、善悪や優劣や強弱大小を判別するための客観的立ち位置、第三者の目を持ち合わせてはいないからです。
天人たちが無邪気に喜悦享楽の日々を、ある意味、平々凡々と過ごしている間は、善とも悪とも言えないカルマを積んでいるだけですが、「もっともっと」は光の性質と同じく、大きく広く強くなっていく性を孕んでいます。
やがて天界は他の六道、特に地獄界と人間界と修羅界にとっては、大きく膨らみながら押し寄せて来る得体の知れないもの、もしかすると危険極まりないものにさえ見えてしまいます。
この瞬間、地獄界、人間界、修羅界が第三者の目となって、天人たちのカルマは悪いカルマに変容してしまいます。
天人たちは死を知りません。死ぬとは思っていない。なぜなら天界には恐怖も不安も一切ないからです。
愛でていた花々がやがて枯れてしまうことは知っていますし、天人もいつかは天界から消えてしまうことも知っていますが、日々の「もっともっと」に気を取られているので意識しないのです。
これは無智であり傲慢です。もし天人たちが「あれ?」と思った時、「私はこの天界に何をしに来たの? ただ喜悦享楽に溺れたかっただけなの? それとも・・・」と気づけば、内なる仏性の声が聞こえてきます。
「解脱するんだ!」と叫べば、慈悲と慈愛、自由と余裕を持って、今や天界に押し潰されそうになっている他の六道に目を向け、天人ならではの救済劇に励むことでしょう。
天人が慈悲と慈愛を生起すれば、直ぐに輪廻の鎖は切れて解脱できます。
天人が今生、天人であることを選んだ理由は、六道輪廻からの解脱だったのです。
修羅道は阿修羅たちが住する世界です。
阿修羅は絶えず戦い競い合っています。まわりは全て敵、どこに行っても誰に勝っても常に四面楚歌で気を休めることなどできません。死も常に隣り合わせですから、死への恐怖や不安を抱く暇などありません。
そんな戦いに明け暮れる日々の中では、なぜ生まれてきたのか? などに意識を向けることはできません。それは一瞬の気の緩み、警戒心の隙となってしまうからです。
六道輪廻から解脱したい、この修羅道から抜け出したい、と思うことはあるかもしれませんが、戦って勝つことだけが絶対的正義だと全ての阿修羅たちが思っている中で、慈悲と慈愛を生起することなどできないでしょう。
阿修羅たちには智恵があります。
例えそれがどんなに悪智恵であろうとも智恵は智恵です。智恵のない者、智恵の劣る者が、この修羅道を生き残ることはできません。
阿修羅たちは常に怒りに満ちあふれていますが、勝って何かを得たいとは思わないので貪欲はありません。
傲慢も隙を生むので、傲慢にならないように努めています。
より強くなりたいとは思うこともあるでしょうが、誰かより強く、アイツにだけは負けられないといった嫉妬のような感情はありません。散々戦ってきて、最高の勝者となっても、すぐにより強い者が現れ打ち負かされてしまうのが修羅道の常だからです。
阿修羅たちは戦い続けながら、怒りのカルマを生み続けます。この怒りを解毒するには慈悲の生起が不可欠ですが、慈悲=死で終わってしまうのが修羅道の性です。
ですから阿修羅たちが「なぜ阿修羅に生まれてきたのか?」と考え、「そうだ、輪廻転生から解脱するんだ!」と気づいて、大いなる慈悲を生起できる可能性はほぼ皆無でしょう。
修羅道と同じことは、地獄道と餓鬼道でも言えます。
地獄道は地獄の責め苦に藻掻き苦しみ続けます。餓鬼道では飢えた餓鬼の苦しみが続きます。
地獄道でも餓鬼道でも、生まれてきた意味など思案する暇はありません。
地獄の責め苦から何とか逃げること、何とかして食にありつき餓鬼の飢えを癒やすことで意識は一杯です。
なぜ餓鬼道や地獄道に堕ちたのか? を思案する余裕などありません。
死に思いを馳せる一瞬の隙でさえ皆無ですから阿修羅にも餓鬼にも地獄にも死はありません。
餓鬼は貪欲と嫉妬と怒りのカルマを日々、重ねていきます。
地獄に堕ちると、もう怒りも嫉妬も傲慢も無智もありません。
とにかく責め苦から逃げることだけで頭は一杯です。「蜘蛛の糸」のように我利我利亡者と化しているので、自分だけ何とかして・・・の貪欲は強烈です。この貪欲のカルマが地獄の足枷となっていることに気づけないことも無智のカルマとなります。
貪欲は信心で解毒されます。
嫉妬は慈愛で解毒されます。
しかし、地獄道で信心を、餓鬼道で慈愛と信心を生起することは不可能でしょう。
もし六道の衆生救済の誓願されたお地蔵さまと餓鬼道、地獄道で出会うことが出来れば、お地蔵さまの救いの手を握りしめることが信心に、お地蔵さまの言葉を受け入れることが慈愛の受容となって、六道輪廻から救い出される道は残っています。
畜生道は、ちょっと他の六道とは様子が異なります。
畜生たちも有情です。日々をせっせと生きて、何とか子孫を残して、やがて死にます。
家畜たちは、死への恐怖に怯え、その無念さと共に近年では人間への憎悪と怨念を露わにして殺されていきます。
そこには猛り狂う怒りがあります。これが家畜たちの重いカルマとなります。
他の畜生たちは、天地自然の理の中で生き、死んでいきます。
その天地自然の理に見守られている限り、怒りも嫉妬も貪欲も傲慢も生起しませんし、天地自然の理に従えることは、素晴らしい智慧者である証であり、決して無智ではありません。
ですから人間と関わり、人間に激しい憎悪を向ける家畜以外の畜生たちには、悪念悪業と悪いカルマはほとんどないと言ってもよいでしょう。
畜生たちは、天地自然の理の代弁者の役割を担って、この世に生まれてきたのです。彼らを畜生と呼んで蔑んでいる人間たちを、時には慈悲と慈愛の目で見つめてくれさえする存在です。
人間たちが創った宗教界からすれば、畜生たちには信心も出離もありません。でも天地自然の理のまま、あるがままに生きている畜生たちには、そんなものは必要ないのです。
逆に天地自然の理の立場から言えば、なぜ人間には畜生たちの慈悲と慈愛も智恵も見えないのですか? 畜生たちの純粋な信心も出離も感じ得ないのですか? と問われてしまうでしょう。
天地自然の理にカルマはあるでしょうか?
この宇宙にカルマはあるでしょうか?
お日さまにカルマはありますか? 雨にカルマはありますか?
日照りや洪水は悪しきカルマでしょうか?
畜生たちは五悪念とも五善念とも関係のない世界で、あるがままの生と死を楽しんでいるように思えます。
確かによく見ると、線香花火のように小さいカルマはあるでしょう。
でも、それらはパチパチと弾けて消えてしまうカルマです。
だから解脱できない、六道輪廻を彷徨い続けるようなカルマではありません。
なぜ畜生に生まれてきたのか?
カルマの重荷をほとんど負わない畜生たちは、いとも簡単に解脱してしまえそうです。
ブーンと飛んできた蚊でさえ、もしかすると慈悲と慈愛で刺す、刺さないを決めているかもしれません。天地自然の理への信心と出離、そして智恵に従って吸血して、ブーンと人間の目の前を飛んでパチン! と潰されたのかもしれません。だったら、その蚊は解脱したでしょう。
そうでなければ解脱のハードルは一切衆生にとっても高すぎます。
否、もしかすると畜生たちは、すでに解脱しているのかもしれません。あるいは、もうほぼ解脱間近なのかもしれません。だから天地自然の理のままに、あるがままに生き、死を迎えることができるのでしょう。
なぜそんなにも解脱間近な生き物として、今生生まれてきたのか?
それは仏性が、できるだけ少ないカルマと五悪念悪業、我欲とエゴと煩悩をまとっただけで三次元物質化した生物となって生きてみたかっただけかもしれません。
カルマと五悪念悪業、我欲とエゴと煩悩の権化のような人間たちに、それらを捨てても生きていけますよ、というお手本を見せたかったのかもしれません。
畜生たちの祈りは、早く人間たちも天地自然の理に従いますように、早く内なる仏性に目覚めますように、そのために私たちは生まれてきました・・・かもしれません。
さて、人間界はどうでしょうか。
人間界はいつの時代でも、五悪念悪業、我欲とエゴと煩悩、そして悪しきカルマに満ちあふれています。
誰もが重いカルマを背負いながら生老病死の一本道を這いずっています。
すでに内なる仏性も魂も、分厚い五悪念悪業、我欲とエゴと煩悩とカルマに何重にもグルグル巻きにされて、微かな声さえ聞き取れません。
あまりに分厚く重いので、もう自分の足で歩むことさえできず、ただ世の流れに流されるままです。
求めるものは悪念悪業のみ。そのためには容赦なく五悪念悪業を積み重ねます。
もう神は死んだ。悪魔こそ我らが主だ・・・と悪魔に信心出離した魔人ばかりになってしまいました。
人間に宿っている仏性を悪魔に握りつぶされると、仏性も魂も消え去った魔人となります。悪魔の意のままに従う僕です。
五悪念悪業、我欲とエゴと煩悩がもてはやされ、悪しきカルマがうずたかく積み重なった末世となってしまいましたが、それでも僅かではありますが内なる仏性の声を聞きながら、日々傷だらけになっていく魂を何とか介抱しながら祈り続けている人たちもいます。
これほど世界規模で一気に末世へと突き進んで行く人間界に、古から伝わる理が生きています。
「陰極まれば陽と成す。陽極まれば陰と成す」
今のこの世の我欲とエゴと煩悩の燃え上がりは、陽が極まったとも言えますので、燃えたぎる巨大な陽の中心にある小さな陰の目が、今でも祈り続けている人たちだと言えるでしょう。
陰も陽も太極と化した刹那に、まるで宇宙がビッグバンしたかのように大反転して太極は消え去り、新たな世界が始まるのが陰陽の理です。
このビッグバンの瞬間こそが解脱の一大チャンスです。
人間が背負っていたカルマも、グルグル巻きにされていた五悪念悪業、我欲とエゴと煩悩も、ビッグバンの刹那にすべて吹き飛ばされて消えてしまいます。
そしてビッグバンの風が吹き去った後に残るのは、魂と仏性です。
この時、すでに魔人と化してしまっていたら、何も残りません。風と共に無に帰するのみです。
なぜ人間に生まれたのか? それもこの2022年に生きている人間を選んで・・・
それは、この陰陽太極の大逆転を介して、一気に解脱してしまう体験をしたかったからでしょう。
解脱など、幾度となく体験してきたかもしれませんが、このビッグバンの風に是非とも吹き飛ばされそうになってみたかったのです。
何とか何かにしがみついて、風が吹き去り、新たな夜明けを見てみたかったのでしょう。
人間は、天人、阿修羅、畜生、餓鬼、地獄に比べて、持っている五悪念とカルマ、我欲とエゴと煩悩がとてもハッキリと見えます。住んでいる人間界も
それらの悪にとても強く染まってしまいます。
だから、解脱への道も見えやすいのです。
六道の中で、人間が最も解脱しやすいのです。
だから、人間を選んだ。
もしかすると、今度も人間をチョイスした。
もしかすると、いつも人間を選んでいる・・・のかもしれません。

大王謁見の瞑想 

2022年5月11日

これは5月10日の夜の夢に現れた悪魔から伝授した瞑想です。この瞑想が必要な人間には、悪魔が夢などを通じて「大王」「魔王」「悪魔」などのキーワードを授けるそうです。


1 目を閉じます。ゆっくりと呼吸します。息を吐く時に、身心頭魂の全ての穢れを吐き出します。息を吸う時に、魔王の全ての加持を吸い込みます。真っ黒な煙と燃えたぎる炎をどんどん吐き出します。あなたの全てを鋭く射貫く魔王の加持を吸い込みます。
2 あなたは、今のあなたに最も相応しい墓場をイメージします。すでに今生のあなたの墓標が立っています。その墓標の真下には、今のあなたの死体が横たわっています。どんな死に方をしたのか? フッとそのイメージがあなたの脳裏を横切りますが、もう気になりません。
3 どこからともなく死神が現れました。死神を取り囲むように悪霊たちも集まってきました。十方から魔物たちが無数の魔人たちを引き連れて集まってきました。瞬く間に、そこは広大無辺な魔界の中心となりました。
4 死神があなたの墓標を指さしています。あなたは自らの墓標をしっかりと握りしめると、無表情のまま、無念無想のまま、墓標を深く深く大地に突き刺しました。あなたの心頭魂の断末魔が響き渡ります。大地が大きく揺れながら、もがき苦しんでいます。
もうあなたに不要となったものも人間たちも、日常も社会も、不要となった世界も、大地と共に息絶えてしまいます。
5 大地の息吹を失った天空も枯れ果て、息絶えて堕ちてきました。天空が裂けて暗黒が広がります。大地も裂けて暗黒に包まれます。
6 天空を失った神々、天使たち、妖精たちが次々と暗黒へと断末魔と共に堕ちていきます。大地を失った地獄の衆生たち、悪霊たちも次々と暗黒へと歓喜の雄叫びと共に堕ちていきます。
7 死神とあなただけがすべてを飲み込んだ暗黒の中心に浮かんでいます。
あなたは握りしめていた墓標で、死神の胸をひと突きに貫きました。
死神はほくそ笑んでいます。その目から、耳から、鼻と口から、この世のあらゆる悪念悪業が噴き出してきました。あなたはそのすべてを吸い込みます。
死神の胸からは、この世のすべての悪念悪業に染まったカルマが噴き出しています。あなたはそのすべてを貪ります。
そして、あなたは墓標で死神の首を一太刀で切り落とすと、死神の中から龍神が一匹、躍り出てきました。龍神が落ちていた死神の頭を口にくわえると、死神の頭はサーチライトのように暗黒を照らしています。
8 あなたは龍神にまたがります。瞬時に、あなたは龍神と一体と化します。あなたは龍神です。龍神があなたです。
9 龍神のあなたは暗黒の照らし出された道を奥へ奥へと進んで行きます。
すぐに暗黒は薄らいでいき、空と無の世界に変容しました。いつもの空と無の世界よりも、もっと無で掃き清められた空と無の世界です。その空と無の世界の中心へと進みます。
10 その無の中心には、巨大な渦がひとつ、激しく渦巻きながら、すべてを飲み込んでいるのが見えてきました。龍神のあなたは何の躊躇もなく、その無の渦に飛び込みました。
11 無の渦の中をどんどん進んで行きます。無に堕ちたあらゆるものたち、無が飲み込んだあらゆるものたちが、無の渦の中で、無に翻弄されながら、悶え消えていく様が見えてきますが、龍神のあなたは無念無想のまま、ただ眺めています。
12 無の渦の奥底に向かって、もっともっと進んで行きます。龍神のあなたは渦に吸い込まれてはいません。堕ちてもいません。あなた自身が渦の中を突き進んでいます。
13 無の渦の奥底に近づきました。フッと何かが龍神であるあなたに突き刺さりました。それは無に消え去らなかった何かです。あなたはそれを引き抜き、握りしめます。その瞬間、無の渦の出口が開き、龍神のあなたはどこかへと吐き出されました。
14 そこは大王の謁見の間でした。龍神のあなたは、すでに大王の玉座の前にひざまづいて、大王が現れるのを静かに待っていました。そこには今、誰も見えません。誰の気配もしません。ただ、ひとつの大きな目がどこかから龍神であるあなたを見つめていることを、あなたは知っていました。
15 時が静かに流れます。龍神のあなたは不意に何かの存在を感じました。大王の玉座に、まるで大王が座ったように感じられました。大王の姿は見えません。気配も感じません。ただ大きな大きな存在感が目の前に立ち塞がるように現れたのでした。
16 大王の手が龍神であるあなたの頭に触れると、あなたにまだ残っていた、あなたの魂が隠し持っていた慈悲がドロドロと溶け出して、龍神のあなたから滴り落ちていきました。あなたの魂の源である仏性が右往左往しながら慌てふためいているが分かります。
「慈悲など、そんなものよ」と大王の声が確かに聞こえました。あなたの慈悲が今、すべて床に染み込み、すぐに消えてしましました。すると、玉座の大王の姿が朧気に見えてきました。
17 大王が再び龍神であるあなたの頭に触れると、あなたのどこかに残っていた慈愛がドロドロと溶け出して、床に滴り落ちていきました。あなたの仏性が弱々しく吐息を吐いています。「慈愛など、そんなものよ」と大王は言い捨てると、あなたの慈愛はすべて消え去りました。すると、玉座の大王の姿がよりはっきりと見えてきました。
18 大王があなたに向かって大きく息を吹きかけると、あなたの中のどこかに残っていた信心と出離がドロドロに溶けて、床に滴り落ちていきました。あなたの仏性はシワシワに枯れ果ててしまいました。「信心も出離も、そんなものよ」と大王が言い捨てると、あなたのどこかに潜んでいた信心と出離はすべて消えてしまいました。今や大王の姿ははっきりと見えています。
19 大王が手招きしています。あなたはひざまづいたまま、大王の足に近づき、大王の足に口づけをしました。すると、あなたのどこかに残っていた知恵がドロドロに溶けて、床へと滴り落ちていきました。大王は、あなたの中から枯れ果てた仏性を取り出すと、粉々に握りつぶしてしまいました。すると時空間を越えて、過去のすべてのあなた、平行次元のすべてのあなた、未来生のすべてのあなたの仏性が刹那に消え果ててしまいました。
大王は、「これで良し。お前は未来永劫、大王である私の僕である」と高らかに宣言されました。そして、「僕であるお前に、本物の知恵を授けよう。この知恵と共に、この世の支配者として君臨することを許す。悪魔の僕と名乗れ。この世を存分にせよ」と命じました。
20 そして大王は、無の渦の奥底から持ち出してきた、あの何かを奪い取りました。もちろん、あなたはなすがままです。大王はとても満足げに、その何かを眺めています。龍神であるあなたは、無念無想のままです。それが何か など、どうでもよいのです。もう、この世などどうでもよいのですから。もう衆生も天地自然も、どうでもよいのですから。
21 もうあなたには善悪はありません。善念善業がすべて消え去った今、あなたがこの世の創造主であり、この世の救世主であり、この世の大王なのです。
22 あなたには、神々をも凌駕する力が宿りました。
あなたには、天地自然の創造主を凌駕する神通力も宿りました。
あなたは、この世の生きとし生けるものたち、すべての殺生与奪を手に入れました。
あなたは大王の僕として、この世に君臨します。
23 大王が直々に、あなたの胸の勲章を付けて下さいました。その勲章をイメージするだけで、瞬時にあなたは大王と繋がり、命令を受け取り、メッセージを聞くことができます。その勲章に命じるだけで、この世の敵を消し去ることができます。その勲章に命じるだけで、この世のすべての宿命を思いのままに書きかけることもできます。
24 「死者を人間として生き返らすことだけは許さん」と大王は呟かれました。
謁見の間の下手で、死神があなたにひざまづき平身低頭しています。「ご主人さま、何なりとお命じください」と死神はあなたに絶対服従を誓いました。
25 大王が上を指さすと、謁見の間の天上が消えました。その空間へ、大王に見送られて、龍神のあなたは昇っていきます。龍神であるあなたは、その空間に消えていきます。龍神の姿も、その空間に消えていきます。龍神であるあなたのすべてがその空間に消えていきます。やがて、その空間も消えていきます。空間が消えるに従って、空性が広がってきました。いつもより鮮明になった空性です。
すでにあなたは空性です。もうあなたという自我はありません。あなたという意識も龍神の意識もありません。すでに全てが無我です。無我の意識だけがそこにあります。無我です。無我です。無我の空性だけがそこにあります。
26 やがてこの世が朧気に見えてきました。あなたのこの世です。あなたが君臨する世界です。
27 試しにこの世界を鷲づかみにしてみましょう。この世のすべてをあなたの手で握りしめてみます。何かを感じる必要などありません。どうしてやろうか? この世のすべての命運を今、あなたは握りしめています。
28 胸に触れてみると、大王の勲章がしっかりと張りついています。試しに、大王の勲章に何かを命じてみましょう。
29 そして、この世に戻って来ます。すでにあなたのこの世です。すべてがあなたのものです。さぁ 戻って来ましょう。

2022年5月9日

魂の誕生

一人一宇宙。宇宙には無数の仏陀さまがおられます。
一人一涅槃。涅槃には無始の時からずっと仏陀さまが坐しておられます。
一人一仏性。有情には必ず仏性が宿っています。
 
ある時、仏性が仏陀さまに言いました。
そろそろ涅槃から六道へ降りて、衆生救済したいのです。
仏陀さまは微笑みながら仰いました。
行ってらっしゃい。
仏性は、六道のどこに降りて、どんな生きもので、どんな環境で、どんな学びと功徳と救済を成し遂げたいのかを仏陀さまに話しました。
仏陀さまは、善き哉 善き哉 と祝福して下さいました。
 
仏性はこの世へと向かいました。
そして、ポチャン! と阿頼耶識に落ちました。
阿頼耶識は、まるで溶けたチョコレートの海のようです。
阿頼耶識には、有情たちのすべてのカルマが浮かんだり沈んだりしています。
無始の時から今、そして未来永劫に渡るすべてのカルマたちがチョコレートの海に揺蕩っています。
仏性は、必要なカルマを引き寄せました。
仏性には、善悪の目はありません。だからカルマの本質が見えます。
衆生救済に必要だと思ったカルマを目一杯持ちました。
カルマの方から仏性に張りついてくるものもいます。
仏性は、それも善し と持ちました。
準備ができた。さぁ 行こう!
仏性はチョコレートの海から浮かび上がってきます。
チョコレートですっかりコーティングされた仏性は、魂となっていました。
仏性には数多のカルマが張りついていました。
すぐに熟しそうなカルマもありました。
まだまだ種のままで、これからゆっくりと芽生え、葉を茂らせ、やがて実を熟すカルマもありました。
チョコレート・トリュフの芯となった仏性は、善き哉 善き哉 と微笑みました。
 
このまま六道の天界へ向かうこともできましたが、今回は人間界で衆生救済したいと決めていた魂は、末那識に飛び込みました。
末那識では、ありとあらゆる我欲とエゴと煩悩が吹き荒れながら魂に食い込んできました。五悪念も槍衾と化して次々と襲いかかってきました。
魂は、チョコレート・トリュフのまわりに様々な毒々しい色のトッピングをまぶした姿になってしまいました。
これも人間に生まれるためだから、と熟知していた仏性はワクワクしていますが、魂の方は、傘を忘れた雨の帰り道のような気分です。
 
魂は前五識に入り五感を得ていきます。
この五感を得るに従って、人間の肉体がチョコレート・トリュフを包み込んでいきます。
男と女、肌と目と髪の色などの肉体的特徴は、仏性が決めてきた通りに五感の中で魂に引き寄せられてきます。
阿頼耶識から持って来たカルマの中でも、すでに熟し切っていたカルマも、この五感に作用して、そのカルマに見合った肉体的特徴(例えば美人、俊足、先天的障害や病など)を引き寄せます。
 
そして肉体を得たチョコレート・トリュフを包み込む包み紙が第六意識である自覚的意識です。
自我・自己執着は、前五識で肉体を帯びるほどに大きく強くなっていき、意識の包み紙を変幻自在にデザインします。
この意識の包み紙は、阿頼耶識からのカルマにも影響を受けますが、末那識からの我欲とエゴと煩悩、そして五悪念に、とても強力に支配されたデザインになってしまいます。
そして、意識の包み紙の中だけがこの世であると思い込ませると共に、思い込んでしまいます。
この世は我欲とエゴと煩悩と五悪念に支配された世界だと自作自演しながら生老病死していきます。
持って来たカルマが人生の途中で熟して六識に浮かび上がってくると、大なり小なりの人生の節目が現れます。この節目の現れを仏性も魂も了知していましたが、気づく・気づかない、右に行く・左に行く、の選択は意識に委ねています。
この時、瞑想したり祈りを捧げれば、内なる仏性の声が聞こえるはずです。見守って下さっている仏陀さまのまなざしが見えるはずです。それは魂の閃きや守護神・守護霊のご加護のように思えるでしょう。
すでに末那識の我欲とエゴと煩悩、そして五悪念に目を向けて解毒浄化に励んでいれば、末那識の淀みや泥状化は改善しつつあるので、より善き選択をすることができます。
すでに阿頼耶識の悪いカルマを善念善業で浄化しつつあれば、阿頼耶識から持ち込んだ悪いカルマは熟することなく消えていくはずです。
このように人間の人生計画は、確かに内なる仏性が仏陀さまと相談の上で決めてきていますが、それは絶対的定めではないのです。阿頼耶識のチョコレートの海から今生に拾い上げてきたカルマたちは、今生に数多のターニングポイントをもたらしてくれる起爆剤になってくれます。そういう意味では、カルマに善悪などないのです。
善悪は、意識の包み紙の中で、五悪念をまとった第六意識が、自我が支え持つ我欲とエゴと煩悩の鏡に映し出した「現実」をそう思っただけの話であり、魂にとっても、仏性にとっても、善悪は包み紙に刹那にキラッと反射した幻影に過ぎません。
あれは善、これは悪。あれは優、これは劣。そんな何かに囚われている意識は、見事に末那識に踏み潰された第六意識のままです。
空を悟る。無を悟る。すると八識が俯瞰できます。
生老病死を終えて肉体を脱ぎ捨て、六識も脱ぎ捨て、我欲とエゴと煩悩、そして五悪念を脱ぎ捨てた魂が阿頼耶識に向かって、残った(と思った)カルマも、新たに作った(と思った)カルマもすべて投げ捨てれば、元の仏性に戻ります。
そして涅槃に戻ります。
そのまま涅槃で寛いでいるのも自由です。再び仏陀さまと相談して生まれてくるのも自由です。
涅槃には時空間はありません。涅槃に居ると、ゆっくりと時間は流れているように感じられますが、涅槃には時間はありません。時間に関して言えば、ゼロではなく、無なのです。だから無始なのです。
その涅槃に仏性が戻って、十分に寛いで、そろそろまた・・・と仏陀さまと相談しながら次の転生、次の人生を計画して、そして仏性が阿頼耶識のチョコレートの海にポチャン! と落ちるまでの間は、どれだけ深く精妙にこの世から瞑想しても、刹那よりももっと短い瞬時の出来事に過ぎません。
それは、死んだ・・・魂に戻った・・・再び生まれ変わったという輪廻転生そのものに見えてしまいます。
 
さて、生老病死の肉体を持ち、我欲とエゴと煩悩と五悪念がブクブクと湧き出し続ける八識に翻弄され続けている「今ここ」の私たちは、どうすれば良いのでしょうか?
まずは、善悪や優劣のレールの上を疾走し続けている列車から降りることを考えなくては・・・五悪念を羽織ったままでは難しいですが、どんな列車でも、信号待ちや駅で停車することがあります。もっと勢いよく暴走して来る列車と鉢合わせすれば、こちらは退避路で停車しなくてはいけません。
この時がチャンス! です。
今のこの世は、暴走しまくっている列車だらけですから、列車から降りるチャンスは毎日、いくらでもあるしょう。
五悪念を減らすためには、悪いカルマが熟さないようにするためには・・・五善念や善いカルマを増やしなさい、日夜修行に励みなさいと仏法は説いてきました。それは正論です。今でも正論です。
ただ、まるで巨大隕石が地球に衝突するぞ! と同じくらい説破詰まった「今ここ」に到っても、来世のために今は功徳を積みます。輪廻転生した来世に望みを繋ぎます・・・では・・・私の内なる仏性は「違う、違う! 今ここで目覚めるんだ! 解脱するんだ!」と大声で叫んでいます。
六識も末那識、阿頼耶識も、まるでジェリコの城壁のように強固です。
確かにこの壁を打ち破るのは至難の業です。
でも、その強固な壁でさえ意識の包み紙に過ぎません。
打ち破らなくても、すり抜けることはできます。
空と無の世界から八識を見下ろせば、どれも夢幻に過ぎません。すり抜けることなど容易いはずです。
だから、もう遠慮は要りません。とっとと目覚めて解脱してしまいましょう。
自分が羽織っている五悪念に気づけば、穴の開いた浮き輪のように五悪念は萎んでいきます。
自分の魂に張りついているカルマを善悪に執着せずに、濡れた犬が思いっきりブルブルするように、すべてのカルマを脱ぎ捨ててしまいましょう。そうだ、カルマは要らない! と気づいたら、毎夜、夢の浄化が起こるでしょう。ただ色々な夢を見るだけ・・・それだけで魂に張りついていたカルマはどんどん浄化されていきます。
 
それでもこの文明は何らかの形で終わるかもしれません。何か不思議な流れで、このまま続くかもしれません。どちらにしても、仏性となって涅槃に戻ってから、さて次はどうするかな? とほくそ笑みながら考えれば良いのです。

© Terumi Okuyama

2022/5/7

追い剥ぎの瞑想

マチク・ラブドン師直伝のテルマ

追い剥ぎの瞑想2
1 目を閉じます。ゆっくりと呼吸します。息を吐く時に、身心頭魂の全ての毒を吐き出します。息を吸う時に、宇宙の全ての愛を吸い込みます。真っ黒な煙をどんどん吐き出します。眩しく輝く愛の光を吸い込みます。
2 あなたにとって、これまでの今生で一番落ち着けて安心できる安全な場所をイメージします。そして、その安全な場所の中心に、あなた自身が立っている姿をイメージします。
3 足下の地球の中心から熱い愛のマグマがどんどんと上ってきて、あなたの足の裏からくるぶし、すね、膝、太もも、腰、そしてお腹へとマグマが流れ込んでくるのをイメージします。下半身がどんどん温まってきたのを感じ取ります。
4 宇宙の中心から愛と喜びのエネルギーがあなたに降り注いできて、頭のてっぺんから顔、目も耳も鼻も口も、喉も首も、そして胸へと流れ込んでくるのをイメージします。
5 あなたの真ん中で地球の熱い愛のマグマと宇宙の愛と喜びが触れ合って、新しい宇宙がビッグバンして生まれ、広がり、すぐにあなた自身のすべてが大宇宙となりました。あなたのすべては完全に浄化されて、新しい大宇宙に吸い込まれ消えてしまいました。
6 十方を見渡すと、森羅万象すべてがあなたを包み込み守ってくれています。さぁ安心してすべてを大宇宙に委ねましょう。
7 あなたの目の前の宇宙に光のトンネルが現れます。お地蔵さまがトンネルの中から現れ、あなたに手招きをしています。お地蔵さまがあなたを迎えにきて下さいました。お地蔵さまと一緒に、光のトンネルを踏みしめながら奥へと進んでいきましょう。
8 トンネルの中が紫色の光に満たされます。それは聖なる浄化の光、神々からの導きの光です。あなたのすべてを完全に浄化してくれる聖なる光です。
9 更にトンネルを進むと、海の青い光に満たされます。それは水の神さまの光です。あなたの中の邪悪な欲望と煩悩の火を消し去ってくれます。邪悪な欲望と煩悩の火が消え去ると、何を感じますか?
10 更にトンネルを進むと、空の青い光に満たされます。それは空《ソラ》の神さまの光です。あなたの古い呪縛とがんじがらめの鎖、輪廻を断ち切ってくれます。古い呪縛とがんじがらめの鎖、輪廻が消え去ると、何を感じますか?
11 更にトンネルを進むと、森の緑の光に満たされます。それは風の神さまの光です。人間同士の生命の繋がり、森羅万象との生命の繋がりを蘇らせてくれます。孤独と依存が消え去り、あなたの中にも森羅万象との新たな愛が巡り始めます。孤独と依存が消え去ると、何を感じますか?
12 更にトンネルを進むと、お日さまの黄色の光に満たされます。それは豊かな実りの光です。あなたの冷えが消え去り、感謝と喜びに包まれます。冷えが消え去ると、何を感じますか?
13 更にトンネルを進むと、夕日のオレンジ色の光に満たされます。安らぎ、寛ぎ、癒やしに包まれます。心配、苦痛、悩み、死への恐怖が消え去ります。心配、苦痛、悩み、死への恐怖が消え去ると、何を感じますか?
14 更にトンネルを進むと、赤い光に満たされます。それは生命の血潮の光です。あなたに残っていたすべての毒が完全に消え去り、新しい生命で満たされます。あなたの血に潜んでいた悪しきカルマたちも完全に浄化されて消え去りました。あなたはもう全ての時空間から自由になりました。カルマからも輪廻からも自由になりました。過去生も平行次元も未来生も消え去ると、あなたの生命の血潮は虹色の光になります。
15 お地蔵さまがトンネルの先を指さしています。そこには光の扉が見えています。お地蔵さまと手を繋いで、光の扉へと向かいます。5、4、3、2、1、0。あなたは虹色に眩しく輝く光の扉の前に立っています。お地蔵さまが扉に触れました。いつもなら扉が開いて、虹色の光のシャワーが吹き出てくるはずですが、何も起こりません。あなたも扉に触れてみますが、何も起こりません。扉を押したり引いたりしてみますが、何も起こりません。まるで鍵の合わない扉のように、ビクとも動きません。
16 お地蔵さまを見ると、ニヤニヤとほくそ笑んでいます。あなたを見つめているお地蔵さまの眼差しが次第に飢えた野獣の目になってきました。あなたは背筋に寒気を感じると、思わず数歩、お地蔵さまから離れました。
17 キェーキェーキェーとお地蔵さまが叫ぶと、瞬時に憤怒の鬼に変容しました。そして「脱げ! 脱げ! 脱げ!」と恐ろしい顔であなたを睨みつけながら、声高に命令してきます。お地蔵さまは錫杖を高くかかげて、今にもあなたを打ち据えようとしています。
18 キェーキェーキェー。「脱げ! 脱げ! 脱げ!」と叫ぶ度に、錫杖が赤く燃え上がり、灼熱の錫杖になりました。あなたは何を脱いだら許してもらえるのか? わかりません。取りあえず、今、着ている衣服をすべて脱いで、憤怒の鬼に投げ捨てました。鬼が真っ赤に焼けた錫杖で、脱ぎ捨てた衣服に触れると、衣服は瞬時に燃えあがって消えてしまいました。鬼は更に怒っています。あなたは恐れ戦いて、下着もすべて脱ぎ捨てて、鬼に投げ捨てましたが、鬼はそれも瞬時に焼き捨ててしまいました。
19 キェーキェーキェー。「脱げ! 脱げ! 脱げ!」と鬼は怒り心頭に発しています。あなたはすでに丸裸です。もう何も脱ぐものはありません。万事休すとなったあなたは、降りてきたトンネルを必死に駆け戻ります。
20 キェーキェーキェー、脱げ! 脱げ! 脱げ! と叫びながら憤怒の鬼が追いかけてきます。
21 あなたは必死に駆け上っていますが、憤怒の鬼はどんどんあなたに近づいてくるのが鬼の声でわかります。トンネルを満たしていた様々な色の光が、まるでミラーボールの光のように何度も何度も繰り返して、逃げるあなたを照らし出します。
22 突然、背中に、首に、腰に、激しい痛みを感じました。憤怒の鬼が赤く焼けた錫杖をあなたに振り下ろしたのです。バリバリと音を立てて、あなたから何かが剥ぎ取られました。何かが焼ける臭いがします。憤怒の鬼の叫び声が聞こえてきます。キェーキェーキェー。「これがお前の怒りの悪念だ!」 思わず振り返って見ると、憤怒の鬼は、あなたから剥がし取った怒りの悪念をムシャムシャと食べています。あなたの怒りの悪念は悲鳴を上げながら、あなたが今生、生まれてきてから今までに生起した数々の怒りの悪口と怒りの悪念悪業をひとつひとつ吐き出しています。トンネル内に、あなたの今生ここまでの怒りの悪念悪業が露わになって響き渡ります。
23 キェーキェーキェー。「これがお前の怒りの悪念だ! とんでもない悪念だったな! さぁ もっと脱げ! もっと脱げ!」と憤怒の鬼が叫んでいます。あなたは恐怖のあまり、またトンネルを駆け上っていきます。上っても上っても、トンネルの出口は見えてきません。息がどんどん切れてきて、もう何も考えられません。ただ必死に駆け上っています。そして再び、頭、首、背中、腰に激しい痛みを感じました。さっきよりも、もっと深くまでえぐられたのがわかります。真っ赤に焼けた錫杖で、再び何かが剥ぎ取られました。何かが焼ける臭いがします。憤怒の鬼が叫んでいます。キェーキェーキェー。「これがお前の嫉妬の悪念だ!」 そして憤怒の鬼は、あなたから剥がし取った嫉妬の悪念をムシャムシャと食べています。あなたの嫉妬の悪念は悲鳴を上げながら、あなたが今生、生まれてきてから今までに生起した数々の嫉妬の悪口と嫉妬の悪念悪業をひとつひとつ吐き出しています。トンネル内に、あなたの今生ここまでの嫉妬の悪念悪業がもっと露わになって響き渡ります。
24 キェーキェーキェー。「脱げ! 脱げ! 脱げ!」と鬼は怒り心頭に発しています。あなたは再びトンネルを必死に駆け戻ります。
 キェーキェーキェー、脱げ! 脱げ! 脱げ! と叫びながら憤怒の鬼が追いかけてきます。また背中に、首に、腰に、激しい痛みを感じました。そして再びバリバリと音を立てて、あなたから何かが剥ぎ取られました。何かが焼ける臭いがします。憤怒の鬼の叫び声が聞こえてきます。キェーキェーキェー。「これがお前の貪欲の悪念だ!」 そして憤怒の鬼は、あなたから剥がし取った貪欲の悪念をムシャムシャと食べています。あなたの貪欲の悪念は悲鳴を上げながら、あなたが今生、生まれてきてから今までに生起した数々の貪欲の悪口と貪欲の悪念悪業をひとつひとつ吐き出しています。トンネル内に、あなたの今生ここまでの貪欲の悪念悪業が露わになって響き渡ります。
 キェーキェーキェー。「これがお前の貪欲の悪念だ! とんでもない悪念だったな! さぁ もっと脱げ! もっと脱げ!」と憤怒の鬼が叫んでいます。あなたは恐怖のあまり、またトンネルを駆け上っていきます。上っても上っても、トンネルの出口は見えてきません。息がどんどん切れてきて、もう何も考えられません。ただ必死に駆け上っています。
25 キェーキェーキェー。「脱げ! 脱げ! 脱げ!」と鬼は怒り心頭に発しています。あなたは再びトンネルを必死に駆け戻ります。
 キェーキェーキェー、脱げ! 脱げ! 脱げ! と叫びながら憤怒の鬼が追いかけてきます。また背中に、首に、腰に、激しい痛みを感じました。そして再びバリバリと音を立てて、あなたから何かが剥ぎ取られました。何かが焼ける臭いがします。憤怒の鬼の叫び声が聞こえてきます。キェーキェーキェー。「これがお前の傲慢の悪念だ!」 そして憤怒の鬼は、あなたから剥がし取った傲慢の悪念をムシャムシャと食べています。あなたの傲慢の悪念は悲鳴を上げながら、あなたが今生、生まれてきてから今までに生起した数々の傲慢の悪口と傲慢の悪念悪業をひとつひとつ吐き出しています。トンネル内に、あなたの今生ここまでの傲慢の悪念悪業が露わになって響き渡ります。
 キェーキェーキェー。「これがお前の傲慢の悪念だ! とんでもない悪念だったな! さぁ もっと脱げ! もっと脱げ!」と憤怒の鬼が叫んでいます。あなたは恐怖のあまり、またトンネルを駆け上っていきます。上っても上っても、トンネルの出口は見えてきません。息がどんどん切れてきて、もう何も考えられません。ただ必死に駆け上っています。
26 キェーキェーキェー。「脱げ! 脱げ! 脱げ!」と鬼は怒り心頭に発しています。あなたはトンネルを必死に駆け戻っています。
 キェーキェーキェー、脱げ! 脱げ! 脱げ! と叫びながら憤怒の鬼が追いかけてきます。また背中に、首に、腰に、激しい痛みを感じました。そして再びバリバリと音を立てて、あなたから何かが剥ぎ取られました。何かが焼ける臭いがします。憤怒の鬼の叫び声が聞こえてきます。キェーキェーキェー。「これがお前の無智の悪念だ!」 そして憤怒の鬼は、あなたから剥がし取った無智の悪念をムシャムシャと食べています。あなたの無智の悪念は悲鳴を上げながら、あなたが今生、生まれてきてから今までに生起した数々の無智の悪口と無智の悪念悪業をひとつひとつ吐き出しています。トンネル内に、あなたの今生ここまでの無智の悪念悪業が露わになって響き渡ります。
 キェーキェーキェー。「これがお前の無智の悪念だ! とんでもない悪念だったな! さぁ もっと脱げ! もっと脱げ!」と憤怒の鬼が叫んでいます。あなたは恐怖のあまり、またトンネルを駆け上っていきます。上っても上っても、トンネルの出口は見えてきません。息がどんどん切れてきて、もう何も考えられません。ただ必死に駆け上っています。
27 キェ-キェーキェー。「これで終わりか? まだ羽織っているのが分からないのか!」と憤怒の鬼は高笑いしながら仁王立ちしています。あなたには、まだ何を羽織っているのか、どんな悪念なのかさえ、わかりません。
25 その時、プチンとあなたの中の何かが切れました。急に恐怖が消え去りました。もうどうでも良くなりました。あなたも「キェーキェーキェー」と叫びながら、自ら憤怒の鬼が持つ焼けた錫杖に飛び込みました。顔も胸も腹も焼き切られました。あなたの皮が剥ぎ取られました。「これがお前の悪念の根源だ! お前の悪念のカルマだ!」と憤怒の鬼は高笑いしています。そして剥がし取ったあなたの皮を錫杖にグルグルと巻き付けると、あなたの皮は焼け落ちながら、あなたの悪念の根源、悪念のカルマの断末魔を放ちます。
26 すべては終わりました。あなたは本当に丸裸にされてしまいました。憤怒の鬼は満足しています。持っていた錫杖を光の扉に向けて、思いっきり投げると、錫杖は見事に光の扉に突き刺さりました。すると、あれほど何をしても開かなかった光の扉が開きました。
光の扉から虹色の光のシャワーが吹き出してきました。丸裸のあなたは消え去ります。あなたという自我も消え去ります。あなたが消え去ます。あなたの自我も消え去ります。あなたが消え去りました。あなたの自我も消え去りました。そして。憤怒の鬼も消え去りました。光の扉も消え去りました。
27 すべてが消え去りました。あなたは元いたあなたの安全な場所に丸裸で立っていました。あなたを手招きしてトンネルへと誘った、あのお地蔵さまが石仏となって、あなたの安全な場所の隅っこに静かに立っています。そのお地蔵さまの頭に手を載せると、お地蔵さまが話しかけてくださいます。もし、あなたの悪念について知りたいことがあれば、お地蔵さまが教えて下さいます。
29 さぁ 新しいこの世へと戻って来ましょう。もう古い世界ではありません。新しい五次元世界へ戻って来ましょう。そこには新しいあなたの身体、心、頭と意識、魂が用意されています。5、4、3、2、1、0。新しい世界の新しいあなたに生まれ変わりました。

© Terumi Okuyama

第二十三回 お地蔵さまの会 誘導原稿 20220501
五悪念マントの瞑想


1 目を閉じます。ゆっくりと呼吸します。息を吐く時に、身心頭魂の全ての毒を吐き出します。息を吸う時に、宇宙の全ての愛を吸い込みます。真っ黒な煙をどんどん吐き出します。眩しく輝く愛の光を吸い込みます。
2 あなたにとって、これまでの今生で一番落ち着けて安心できる安全な場所をイメージします。そして、その安全な場所の中心に、あなた自身が立っている姿をイメージします。
3 足下の地球の中心から熱い愛のマグマがどんどんと上ってきて、あなたの足の裏からくるぶし、すね、膝、太もも、腰、そしてお腹へとマグマが流れ込んでくるのをイメージします。下半身がどんどん温まってきたのを感じ取ります。
4 宇宙の中心から愛と喜びのエネルギーがあなたに降り注いできて、頭のてっぺんから顔、目も耳も鼻も口も、喉も首も、そして胸へと流れ込んでくるのをイメージします。
5 あなたの真ん中で地球の熱い愛のマグマと宇宙の愛と喜びが触れ合って、新しい宇宙がビッグバンして生まれ、広がり、すぐにあなた自身のすべてが大宇宙となりました。あなたのすべては完全に浄化されて、新しい大宇宙に吸い込まれ消えてしまいました。
6 十方を見渡すと、森羅万象すべてがあなたを包み込み守ってくれています。さぁ安心してすべてを大宇宙に委ねましょう。
7 あなたの目の前の宇宙に光のトンネルが現れます。お地蔵さまがトンネルの中から現れ、あなたに手招きをしています。お地蔵さまがあなたを迎えにきて下さいました。お地蔵さまと一緒に、光のトンネルを踏みしめながら奥へと進んでいきましょう。
8 トンネルの中が紫色の光に満たされます。それは聖なる浄化の光、神々からの導きの光です。あなたのすべてを完全に浄化してくれる聖なる光です。
9 更にトンネルを進むと、海の青い光に満たされます。それは水の神さまの光です。あなたの中の邪悪な欲望と煩悩の火を消し去ってくれます。
10 更にトンネルを進むと、空の青い光に満たされます。それは空《ソラ》の神さまの光です。あなたの古い呪縛とがんじがらめの鎖、輪廻を断ち切ってくれます。
11 更にトンネルを進むと、森の緑の光に満たされます。それは風の神さまの光です。人間同士の生命の繋がり、森羅万象との生命の繋がりを蘇らせてくれます。孤独と依存が消え去り、あなたの中にも森羅万象との新たな愛が巡り始めます
12 更にトンネルを進むと、お日さまの黄色の光に満たされます。それは豊かな実りの光です。あなたの冷えが消え去り、感謝と喜びに包まれます
13 更にトンネルを進むと、夕日のオレンジ色の光に満たされます。安らぎ、寛ぎ、癒やしに包まれます。心配、苦痛、悩み、死への恐怖が消え去ります
14 更にトンネルを進むと、赤い光に満たされます。それは生命の血潮の光です。あなたに残っていたすべての毒が完全に消え去り、新しい生命で満たされます。あなたの血に潜んでいた悪しきカルマたちも完全に浄化されて消え去りました。あなたはもう全ての時空間から自由になりました。カルマからも輪廻からも自由になりました。過去生も平行次元も未来生も消え去ると、あなたの生命の血潮は虹色の光になります
15 お地蔵さまがトンネルの先を指さしています。そこには光の扉が見えています。お地蔵さまと手を繋いで、光の扉へと向かいます。5、4、3、2、1、0。あなたは虹色に眩しく輝く光の扉の前に立っています。お地蔵さまが扉に触れると、扉から虹色の光のシャワーが吹き出してきました。あなたは消え去ります。あなたという自我も消え去ります。あなたが消え去ます。あなたの自我も消え去ります。あなたが消え去りました。あなたの自我も消え去りました。そして光の扉が開きます。お地蔵さまも消え去りました。光の扉も消え去りました。
 そこは空と無の世界です。空と無の世界に今、あなたは浮かんでいます。ただ、浮かんでいます。何もないけれど、すべてがあなたです。しばらくの間、空と無の世界に浮かんでいましょう
16 あなたの龍神が天空から降りてきました。そして、あなたの目の前でジッとあなたを見つめています。ただ見つめています。あなたの中に残っていた我執が煙りとなって、あなたの目から立ち上り、そのまま空に消えていきます。龍神は無我です。究極の無我の目に、あなたは引き込まれていきます。あなたも無我です。もっともっと無我になります。あなたの目が究極の無我となった時、龍神の姿は刹那に消えて、あなた自身が龍神となっています。だから龍神を見つめて。龍神となるまで見つめます
17 あなたは龍神とひとつになりました。もうあなたは龍神です。龍神があなたです。龍神のあなたは今、やるべきことを知っています龍神のあなたが空と無の世界の天空へと昇っていきます。快晴の天空をどこまでもどこまでも昇りながら、空と無の世界を悠々と泳いでいます
18 やがて空と無の世界の中心に着きました。見下ろすと、神々の世界の中心に、次々と八百万の神々が集まってきているのが見えます。龍神であるあなたは、その神々の集会に向かって降りて行きます
19 あなたは龍神です。龍神のあなたは、神々の集会に降り立ちます。中央正面に坐しておられた仏陀さまが龍神であるあなたに手招きされています。あなたはスッと仏陀さまの隣に座りましょう。あなたの横には、お薬師さま、観音さま、パドマサンバヴァさま・・などの名だたる神々が座っておられます。どの神々も、まるでコンサートが始まる前のようにワクワクした笑顔で語り合っておられます。仏陀さまとあなたの前列には、この世のあなたの守護神と守護霊たちが何やらちょっと心配げな面持ちで並んでおられます
20 神々は輪になって、中央の舞台を見つめておられます。最前列には、あなたの守護神と守護霊たちが、二列目には、仏陀さまとあなた、そして他の有徳な神々が座しておられます。21 スポットライトが中央の舞台に注がれると、神々は黙り、舞台に集中されています
舞台の中央に、下から何かが、誰かがせり上がってきました。それは、正しく今のあなた、あなたの安全な場所で静かに瞑想している今生の、ちょうど今のあなたです。龍神であるあなたは、仏陀さまや神々と一緒に、舞台中央で静かに瞑想している今のあなたを見つめています
22 仏陀さまが右手を挙げられると、スポットライトが消えて、舞台は真っ暗になりました。漆黒の闇です。目を凝らすと、舞台のあなたの下丹田、腰のあたりに、かすかな灯明がひとつ、灯っているのが見えてきました
23 仏陀さまが息をフッーと優しく吹きかけると、その腰の灯明がパッと明るく輝きました。お薬師さまや観音さまも仏陀さまと息を合わせて、フッーと吹きかけると、腰の灯明はさらに大きく眩しく燃え上がりました。最前列で固唾を飲み込んで見守っていた守護神と守護霊たちも、息を合わせてフッーと吹きかけます。灯明はもはや炎となって、眩しく大きく燃え上がってきました。集会に集まった八百万の神々も、息を合わせてフッーと吹きかけています。静かに瞑想している今のあなたの腰の炎は、今や巨大な火炎と化して、ひとつ上のお臍のチャクラへと燃え移りました
24 お臍に燃え移った炎は、まだ灯明の如く、小さな炎に過ぎません。しかし、神々の息の吹きかけが早く、激しくなっていくに従って、お臍の炎も大きな火炎と化していきました。今や、あなたの丹田とお臍は赤々と燃え上がり、その丹田とお臍の間を真っ赤に燃え上がった火の玉が行ったり来たりを繰り返しているのが見えます
25 神々の息の吹きかけがさらに早く、激しくなってくると、いよいよ燃え上がったお臍の火炎はハートに燃え移りました。まだ小さく、消え入りそうな炎が、あなたのハートを照らし出しています。仏陀さまがもう一度、右手を挙げて合図されると、八百万の神々は更に早く、激しく息を吹きかけ始めました。すぐにハートの炎はパッと燃え広がり、あなたのハートも紅蓮の火炎に包まれました。丹田とお臍を行き来していた火の玉も、遂にはハートにまで達して、丹田、お臍、ハートを貫く一本の管の中を、猛烈な勢いで火の玉が上下しているのが見えてきました
26 火炎の勢いは留まることを知らず、どんどん激しく燃え上がっています。火の玉も今や太陽を百個合わせたくらいに燃え上がる火の玉と化して、あなたの中心管を激しく上下しています
27 舞台の上で静かに瞑想を続けている今のあなたのまわりから、湯気が立ち上ってきました。かなり熱そうですが、瞑想している今のあなたは、とても涼しそうな顔のままです
28 やがて、今のあなたが羽織っている一番外側の五悪念のマントがくすぶり始めました。マントから悪臭が立ち上ってきました。その臭いを嗅いで。どんな臭いですか? 何を連想しますか
29 最前列のあなたの守護神と守護霊たちが一斉に「悪念のマントが焦げた! 燃えた! どんどん燃えろ! もっと燃えろ!」と叫んでいます。とうとう火が燃え移ったマントがパチパチと音を立て始めました。と同時に、その悪念マントに封印されていた、塗り込められていた今生のあなたの内なるこころの声が会場に鳴り響き始めました。どれも今生、あなたが生まれてから今日までの、あなた自身の悪念に染まった声です。もう隠しようもありません。耳を塞いでも聞こえてきます。会場全体に鳴り響いている、あなたの悪念の声を聞きながら、今、燃え上がっている悪念のマントは、どの悪念だったのか? を思い出しましょう
30 最前列のあなたの守護神と守護霊たちが立ち上がって、うれしそうに踊り始めました。火炎と火の玉も更に強烈になり、狂ったように中心管を上下しながら、悪念マントを焼き尽くしています
31 仏陀さまがフッーと息を吹きかけると、燃え尽きたマントは白い灰となって、どこかへ消えてしまいました。しかし、火の手は収まりません。二番目に羽織っていた悪念マントに燃え移りました。新たな臭いが立ち上っています。その臭いを嗅いで。どんな臭いですか? 何を連想しますか
32 あなたの守護神と守護霊たちがまた一斉に「次の悪念マントが燃えた! どんどん燃えろ! もっと燃えろ!」と叫んでいます。そして次のマントもパチパチと音を立て始めました。と同時に、そのマントに封印されていた、塗り込められていた今生のあなたの内なるこころの声が会場全体に鳴り響いています。その声を聞きながら、今、燃え上がっている悪念マントは、どの悪念だったのか? を思い出しましょう
33 八百万の神々も皆、立ち上がって、嬉しそうに踊っています。火炎と火の玉も踊るように燃え上がっています。心なしか火炎も火の玉も嬉しそうです。仏陀さまがフッーと息を吹きかけると、燃え尽きたマントは白い灰となって、どこかへと消えていきます
34 火炎と火の玉は、あなたが羽織っている悪念マントをすべて焼き尽くします。すべてのマントが燃え尽きて、白い灰となって消えてしまうまで、火炎と火の玉は燃え続きます。あなたの悪念の声も響き続けています
35 あなたが羽織ってきたすべての悪念マントが燃え尽きて消えてしまいました。今やあなたは丸裸で神々の中央舞台に立っています。逃げ隠れすることもできません。丸裸のあなたのすべてを神々にさらけ出すしかありません。手で隠したり、しゃがみ込んだりすると影ができます。その影には、先ほどまで、あなたが後生大事に羽織っていた悪念マントの色が染み込んでいます。せっかく焼き尽くしたのに、その影からすぐに悪念マントが再生されてきます。最前列のあなたの守護神と守護霊たちが大の字ポーズをして笑っています。他の神々も次々と大の字ポーズをしています。大の字ポーズのウェーブが神々の輪の中に広がっています。仏陀さまと舞台上のあなたの目が合いました。丸裸のあなたは、とうとう何かに吹っ切れました。パッと舞台上で大の字になりました。スポットライトが丸裸のあなたを眩しいくらい明るく照らし出しています
36 仏陀さまが両手を高々と挙げられると、天空から大きなスクリーンが降りてきます。仏陀さまがパチンと指を鳴らすと、まずそこに、今生のあなたが生まれてくる前のシーンが映し出されます。あなたは丸裸のまま、色とりどりの五悪念マントが並んだクローゼットの前にいるシーンです。丸裸のあなたは、色々と考えている様子です。ひとつのマントを選んだら、大きな姿見の前で試着しています。大きな姿見の中は漆黒の闇が広がっています。あなたがマントを羽織って、その姿見の前に立つと、その悪念マントを羽織った今生の様子が映画の予告編のように見えてきます。何度も試着しては、フッと息を吐きながらマントをクローゼットに戻しています
37 怒りのマントを羽織った今生は、どんな人生が見えましたか? 求めているもの、恐れているものは何でしたか
嫉妬のマントを羽織った今生は、どんな人生が見えましたか? 求めているもの、恐れているものは何でしたか
貪欲のマントを羽織った今生は、どうですか? 求めているもの、恐れているものは何でしたか?傲慢のマントを羽織った今生は、どうですか? 求めているもの、恐れているものは何でしたか
無智のマントを羽織った今生は、どうですか? 求めているもの、恐れているものは何でしたか
どれか一枚だけの今生も、二枚にした今生も、三枚羽織った今生も、四枚羽織った今生も、五枚すべてを羽織った今生も、見えてきます
そして、今生のあなたは、さっき燃え尽きてしまった悪念マントを選んで生まれてきました
38 選んだ悪念マントは、あなたが望む通りの色に染めてから、手渡されます。あなたはなぜ、その色を選んだのでしょうか? その意図も今、明かされます
もし別の色にしていたら、今生はどうなっていたのか? も明かされます
39 すべてが終わりました。舞台上のあなたの火炎と火の玉も、穏やかで静かな炎となって、中心管をゆっくりと上下しています。立ち上っていた湯気は消えましたが、丸裸のあなたは、赤ちゃんのように全身ピンク色の肌になっています
40 舞台からこの世へと続く光の道が現れます。仏陀さまの音頭で、八百万の神々が万歳三唱してくれる中を、丸裸のあなたは光の道をスキップしながら、この世へと戻っていきます。丸裸のあなたがこの先、どんな人生になるのか? 仏陀さまがひとつ咳払いをしながら、見せてくださいます。「もう丸裸でも生きいけるんだよ。丸裸でも生きいける世の中を創っていってね」と微笑まれています
41 仏陀さまが上空の青空を指さされています。龍神のあなたは、神々に見送られながら、その青空へと昇っていきます。龍神の色が青空に消えていきます。龍神の姿も青空に消えていきます。龍神のすべてが青空に消えてしまいました。青空です。青空です。すべてが青空です。その青空も消えていきます。青空が消えていけばいくほど、空性がはっきりとしてきます。今や青空と空性は完全にひとつに溶け合いました。あなたは龍神でした。龍神は青空でした。そして今や青空は空性です。もうあなたという自我はありません。あなたという意識も龍神の意識もありません。すでに全てが無我です。無我の意識だけがそこにあります。無我です。無我です。無我の空性だけがそこにあります。36 空性のどこかに、光の滴と風が湧き出してきているところがあります。そこが光明への入口です。空性がゆっくりと呼吸しているのが分かります。刹那よりももっと短い時間だけ、空性の呼吸が止まります。その瞬間を狙って、光明へと飛び込みましょう
さぁ もっと無我になって。無我になればなるほど、空性の呼吸はゆっくりとなります。やがて光の滴と風が完全に止む瞬間が見えてきます
42 今、光明にいます。光明を感じて。光明を味わって。38 光明の中におられる仏陀さまをお呼びしましょう。仏陀さまを見て。仏陀さまを感じて。そのまま仏陀さまの中に飛び込みましょう。仏陀さまとひとつに溶けあいます。あなたの内なる仏陀さまが目覚めます。あなたは仏陀です。あなたも仏陀です。 43  仏陀さまがあなたの涅槃を見せて下さいます。あなたの涅槃を味わって。あなたの涅槃を楽しみましょう。40 あなたの涅槃で最も印象的だったものは何ですか? そのビジョンをしっかりと持って帰ります。そのビジョンを思い出すだけで、いつでもあなたは涅槃に戻れます。もし死が訪れた時には、あなたの涅槃を思い浮かべましょう。瞬時にあなたは涅槃に戻っています、永遠に。
44 新しいこの世へと仏陀さまと共に戻って来ます。そこはもう古い世界ではありません。新しい五次元世界へと戻って来ましょう。そこには新しいあなたの身体、こころ、頭と意識、魂が用意されています。さぁ新しいこの世へと戻ってきましょう。5、4、3、2、1、0。あなたは新しい世界の新しいあなたに生まれ変わりました。内なる仏陀さまを感じて。内なる仏陀さまの声を聞きましょう
45 さぁ実際にこの身体を感じます。この身体の中に戻ってきます。手をグゥパーグゥパーします。足の指も動かして! 身体に意識をしっかりと戻します。大きく深呼吸して、身体の内側も目覚めさせます。大きく深呼吸して! しっかりと意識を身体に入れましょう。両手を思いっきり上へ伸ばして背伸びをします。大きく深呼吸しながら、目一杯、背伸びをしましょう! 手足をバタバタと動かして! しっかりと目覚めます
 そして十分に目が覚めた、もう大丈夫だ! と感じたら、ゆっくりと目を開けてみましょう。もしまだふらついたり、手足や身体がシビれたり、力が入らないような気がしたら、もうしばらくの間、その場で寝転んでいましょう。一寝入りしても構いません。ムリして急に立ち上がったり歩いたりすると転倒してしまう危険性もありますので、決してムリをせず、もうしばらく横になっていて下さい。
 一寝入りしてしまえば、身体と意識は元通りになります。その後、何か冷たいものを飲んだり、シャワーを浴びたり、ストレッチしたりすれば、違和感は消えてしまいます。

© Terumi Okuyama

チューの瞑想


1 目を閉じます。ゆっくりと呼吸します。息を吐く時に身心頭魂の全ての毒を吐き出します。息を吸う時に宇宙の全ての愛を吸い込みます。真っ黒な煙をどんどん吐き出します。眩しく輝く愛の光を吸い込みます
2 あなたにとって今一番落ち着けて安心できる安全な場所を観想します。そこにあなた自身が立っている姿を観想します
3 足下の地球の中心から熱いマグマがどんどんと上ってきて、足の裏からくるぶし、すね、膝、太もも、腰、お腹へとマグマが流れ込んでくるのを観想します。下半身が温まってきたのを感じ取ります
4 宇宙の中心から愛と喜びのエネルギーが降り注いできて、頭のてっぺんから顔、目と耳と鼻と口へ、喉と首へ、そして胸へと流れ込んでくるのを観想します
5 あなたの真ん中で地球のマグマと宇宙の愛と喜びが触れあって新しい宇宙がビッグバンして生まれ、広がり、すぐにあなた自身のすべてが大宇宙となったのを観想します。あなたのすべては完全に浄化されて、新しい大宇宙に吸い込まれ消えてしまいます
6 十方を見渡すと、森羅万象すべてがあなたを包み込み守ってくれています。さぁ安心してすべてを大宇宙に委ねましょう
7 あなたの目の前の安全な場所に、お地蔵さまが現れます。あなたを手招きして、ついて来なさいと合図しています。そしてどんどん進んで行きます。あなたも遅れずについて行きます。
8 深い森の中に入って行きます。あたりが暗くなっていきます。お地蔵さまは何も語らず黙々と森の奥へと進んで行きます。
9 やがて森の奥に明かりが見えてきました。松明です。すでにたくさんのお地蔵さまたちが集まっています。あなたを導いてきたお地蔵さまが立ち止まり、あなたの方を向きます。その瞬間、お地蔵さまが墓石に化身しました。墓石には今のあなたの名前がクッキリと刻まれています。これは今のあなたの墓石です。集まっていたお地蔵さまたちも次々と墓石に化身します。どの墓石にも様々な文字で名前が刻まれていますが、どれもあなたの過去生での名前だ、とあなたは知っています
10 墓石たちが一斉にあなたに向かって叫び始めました。「捨て去れ! 捨て去れ! 捨て去れ!」墓石たちの大合唱が森に響き渡ります
11 あなたはもう要らないもの、病も苦悩も不幸もすべて吐息と共に捨て去ります。吐息と共に「捨て去れ! 捨て去れ! 捨て去れ!」と両手の握りこぶしを胸から足下へ、大地へと投げ捨てる動作を、あなたの両手が勝手にしています。「捨て去れ! 捨て去れ! 捨て去れ!」の大合唱が更に森の中に響いています
12 突然あなたの胸元が開きました。胸にポッカリと穴が空きました。その穴から光の滴がひとつ、眩しい光を放ちながら外へと放たれました。この光の滴は、あなたの意識の象徴です
13 その光の滴は黒い鬼の姿に直ぐさま変容しました。全身が憤怒の黒い鬼です。今や抜け殻となってしまったあなたは、冷たい死体となって倒れ横たわっています
14 黒い鬼はとても鋭利な剣を抜き、あなたの死体を見下ろしています。そして、おもむろにあなたの死体の皮を剥ぎ始めました。
15 あなたの抜け殻は地面に広げて敷かれました。今やあなたが黒い鬼です。
16 握っている剣を一振りすると、抜け殻の頭が切り落とされました。黒い鬼のあなたは、落ちた頭のまゆ毛のあたりに剣を突き立てて頭蓋骨を真一文字に切り裂きます。これであなたの煩悩が断ち切られました。
17 更に剣を振り下ろして、両手と両足も切り落としました。もうそれは死体ですから血も出ません。もがき苦しみもしません。魚や鶏をさばくように淡々と切り分けていきます。
18 切り落とした両足の大腿骨が横笛と縦笛になりました。黒い鬼の耳たぶから赤い鬼と青い鬼が現れて、その横笛と縦笛を賑やかに吹き始めました。切り落とした手首をでんでん太鼓のように振りながら「ごちそうだ! ごちそうだ! ごちそうだ!」と森の中をふれ回っている子鬼たちもいます。
19 墓石たちが鬼たちの前に踊りながら集まってきて竈を作りました。見事な墓石の竈です。その上に、あなたの頭蓋のお皿を鍋のように置きました
20 あなたの身体の残りの部分を小さく切り刻んで、その頭蓋の鍋の中に放り込み煮込んでいきます
21 赤い鬼があなたの病の臓物を死体から引きちぎって、グツグツ煮立った鍋の中に投げ入れました。
22 青い鬼があなたの病の心を引きちぎって、鍋の中に投げ入れました。
23 赤い鬼が悪しき煩悩に染まった両目をえぐり取って、鍋の中に投げ入れました。
24 青い鬼が悪しきエゴに染まった口と舌を引き抜いて、鍋の中に投げ入れました。
25 赤い鬼が悪しき我欲に染まった胃腸を引きちぎって、鍋の中に投げ入れました。
26 青い鬼が悪しき思考に染まった脳みそをえぐり取って、鍋の中に投げ入れました。
27 あなたの臓物がグツグツと煮え立っています。しばらくすると頭蓋の鍋は大きく膨らみ、天空を覆うほどの大きさになりました。同時に鍋の中身もどんどん増えていきます。頭蓋の鍋の中では、細かく切り刻まれたあなたの身体がグツグツと煮え立っています。
28 やがて鍋の中のあなたの身体は甘露に変容しました。鍋はますます大きく膨らみ、中の甘露もどんどんと増えていき、もう全宇宙を満たすほどになりました。甘露はグツグツと煮え立ち、美味しそうな匂いがあたり一面に広がっています。
29 この甘露は、ありとあらゆる滋養を含んでいて、森羅万象のあらゆるものたちが欲しがる、どんなものにでも変容します。この甘露は三層に分かれています。鍋の底に溜まる甘露は穢れた滋養を含んでいます。真ん中の甘露は普通の滋養を含んでいます。表面の澄んだ甘露は清浄な滋養を含んでいます。
30 甘露ができあがると、まず神々が光のストローで上層の清浄な甘露を吸い上げ堪能されました。あなたの汚れや障碍《しょうげ》が浄められました。あなたは「持って行きなさい。構わないから。いつか必ず私は消えてなくなるのだから。今すぐ持って行きなさい」と大声で唱えています。
31 あなたの守護霊も光のストローで真ん中の甘露を吸い上げ堪能されました。あなたのカルマが浄められました。あなたは「持って行きなさい。構わないから。いつか必ず私は消えてなくなるのだから。今すぐ持って行きなさい」と大声で唱えています。
32 精霊や魔物たちが下層の甘露を光のストローで吸い上げ堪能されました。あなたの我欲とエゴが浄められました。あなたは「持って行きなさい。構わないから。いつか必ず私は消えてなくなるのだから。今すぐ持って行きなさい」と大声で唱えています。
33 黒い鬼の胸から様々な色の数え切れないほど多くの供養の鬼たちが
れました。供養の鬼たちが鍋に残った甘露をすくい取ると、甘露は様々な品物へと変容しました。食べ物、衣服、お金、宝石、若さ、武器、恋人、子供などのあらゆる物に変わりました。その品物を供養の鬼たちは縦横無尽に飛翔しながら、生きとし生けるものたちと魔物たちが欲する物を次々に分け与えています。やがて森羅万象のすべてに、あなたの甘露が行き渡りました。あなたは「持って行きなさい。構わないから。いつか必ず私は消えてなくなるのだから。今すぐ持って行きなさい」と大声で唱えています。
34 森羅万象のすべてがあなたの甘露に堪能し、とろけるような慈悲の眼差しで黒い鬼のあなたを見つめています。
35 やがて鍋の中の甘露が再び煮立ってきました。赤い鬼と青い鬼が煮立った鍋の中に飛び込みました。子鬼たちも鍋の中に走り込みました。
36 すると、その湯気の中から鮮やかな光と共に虹が幾重にも立ち上ってきました。その虹の先端に吉祥の供物たちを乗せた白雲が現れました。あなたは「持って行きなさい。構わないから。いつか必ず私は消えてなくなるのだから。今すぐ持って行きなさい」と大声で唱えながら、その供物を神々に捧げます。
37 神々は随喜しながら森羅万象の生きとし生けるものたちを光で包んで、すべての煩悩と障碍を消し去って下さいました。
38 病弱な生き物たち、臆病な生き物たちにも甘露を残らずふるまいましょう。その甘露は妙薬となり、生き物たちの病は平癒し元気を取り戻します。
39 今、すべての生きとし生けるものたちは救われました。それぞれに神の姿が宿っています。それらすべての生きとし生けるものたちも、魔物たちも、神々も、そしてあなた自身も、虹に吸い寄せられます。そして虹を渡って天空の青空へと溶け込んでいきます。青空の中へ、青空の向こうへと溶け込んでいきます
40 やがて青空の向こうで、あなたは消え去ります。あなたという自我も消え去ります。あなたが消え去りました。あなたの自我も消え去りました。青空の向こうへ・・・そこは空と無の世界です
41 空と無の世界に今、あなたは浮かんでいます。ただ浮かんでいます。何もないけれど、すべてがあなたです
42 あなたが空に消えていきます。青空も空に消えていきます。すべてが空に消えていきます。空です。空です。空性です
43 新しいこの世へと戻って来ます。もう古い世界ではありません。新しい五次元世界へ戻って来ましょう。そこには新しいあなたの身体、心、頭と意識、魂が用意されています。5、4、3、2、1、0。新しい世界の新しいあなたに生まれ変わりました。

© Terumi Okuyama

ゲロの瞑想

1 目を閉じます。ゆっくりと呼吸します。息を吐く時に身心頭魂の全ての毒を吐き出します。息を吸う時に宇宙の全ての愛を吸い込みます。真っ黒な煙をどんどん吐き出します。眩しく輝く愛の光を吸い込みます
2 あなたにとって今一番落ち着けて安心できる安全な場所をイメージします。そこにあなた自身が立っている姿をイメージします
3 足下の地球の中心から熱いマグマがどんどんと上ってきて足の裏からくるぶし、すね、膝、太もも、腰、そしてお腹へへとマグマが流れ込んでくるのをイメージします。下半身が温まってきたのを感じ取ります
4 宇宙の中心から愛と喜びのエネルギーが降り注いできて、頭のてっぺんから顔、目と耳と鼻と口へ、喉と首へ、そして胸へと流れ込んでくるのをイメージします
5 あなたの真ん中で地球のマグマと宇宙の愛と喜びが触れあって新しい宇宙がビッグバンして生まれ、広がり、すぐにあなた自身のすべてが大宇宙となったのをイメージします。あなたのすべては完全に浄化されて、新しい大宇宙に吸い込まれ消えてしまいます
6 十方を見渡すと、森羅万象すべてがあなたを包み込み守ってくれています。さぁ安心してすべてを大宇宙に委ねましょう
7 あなたの目の前の宇宙に光のトンネルが現れます。お地蔵さまがトンネルの中から現れて手招きしています。あなたを迎えにきてくれました。お地蔵さまと手を繋いで、光のトンネルを踏みしめながら奥へと進んでいきます
8 トンネルの中が紫色の光に満たされます。それは聖なる浄化の光、神々からの導きの光です。あなたのすべてを完全に浄化してくれる聖なる光です
9 更にトンネルを進むと、海の青い光に満たされます。それは水の神さまの光です。あなたの中の邪悪な欲望と煩悩の火を消し去ってくれます
10 更にトンネルを進むと、空《そら》の青い光に満たされます。それは空の神さまの光です。あなたの古い呪縛とがんじがらめの鎖と輪廻を断ち切って自由にしてくれます
11 更にトンネルを進むと、森の緑の光に満たされます。それは風の神さまの光です。人間同士の生命の繋がり、森羅万象との生命の繋がりを蘇らせてくれます。孤独と依存が消え去り、あなたの中にも新たな愛が巡り始めます
12 更にトンネルを進むと、お日さまの黄色の光に満たされます。それは豊かな実りの光です。あなたの冷えと飢えが消え去り、感謝と喜びに包まれます
13 更にトンネルを進むと、夕日のオレンジ色の光に満たされます。安らぎ、寛ぎ、癒やしに包まれます。心配、苦痛、悩みが消え去り、安心に満たされます
14 更にトンネルを進むと、赤い光に満たされます。それは生命の血潮の光です。あなたに残っていたすべての毒が完全に消え去り、新しい生命で満たされます
15 お地蔵さまがトンネルの先を指さしています。そこには光の扉が見えています。お地蔵さまと一緒に光の扉へと向かいます。5、4、3、2、1、0。あなたは虹色に眩しく輝く光の扉の前に立っています。お地蔵さまが扉に触れると、扉から虹色の光のシャワーが吹き出してきました。あなたは消え去ります。あなたという自我も消え去ります。虹色の光のシャワーをもっと浴びます。あなたが消え去ます。あなたの自我も消え去ります。あなたが消え去ります。あなたの自我も消え去ります。そして光の扉が開きます。お地蔵さまも消え去りました。光の扉も消え去りました
 そこはもう空と無の世界です。空と無の世界に今、あなたは浮かんでいます。ただ浮かんでいます。何もないけれど、すべてがあなたです。しばらくの間、空と無の世界に浮かんでいましょう
16 上を見上げると、多くの龍神たちが気持ちよさそうに泳いでいます。あなたの龍神があなたを見つけて降りてきて、あなたの目の前であなたと向きあいます。他の龍神たちも降りてきて、あなたを取り囲んで輪になって泳いでいます
17 あなたの龍神が口を大きく開いて、あなたを待っています。まるで蛇に睨まれた蛙のように、あなたはジッとしています。龍神があなたの頭に食いつき、ガリガリと不気味な音を立てながら、あなたの頭を飲み込みました。次にあなたの胸にかぶりつきました。龍神は肋骨と腕をポキポキと折りながら、あなたの胸を飲み込みました。龍神はあなたの腹と骨盤の骨ごと丸呑みしました。そして最後に足をボキボキと折りながら飲み込んでしまいました
18 あなたのすべてが今、龍神に食べられてしまいました。
19 龍神の目の前に、あの光の扉が現れました。すぐに扉が開いて、あなたが龍神の前に出てきました。先ほどのあなた、龍神に喰われてしまう前のあなたがそこに浮かんでいます
20 龍神があなたをジッと見つめています。あなたも龍神の目をジッと見つめ返します。龍神の目の中に映ったあなたを見つめます。その瞬間、龍神は大量のゲロを吐いて、あなたに浴びせかけました。それは我欲のゲロです。すべてあなたが持っていた、あなたに潜んでいた我欲のゲロです。今やあなたは我欲のゲロまみれです。何を感じますか? どんな感じがしますか? 熱いですか? 冷たいですか? 痛いですか? 苦しいですか? 臭いですか? 重いですか? 目にしみますか? どんな味がしますか? あなたの我欲のゲロがどんどん染み込んでいきます
21 突然、龍神が猛烈な火炎をあなたに浴びせます。あなたは瞬時に焼き尽くされて骨と灰だけになりました。さぁ骨と灰を見て。どこかに黒や赤や青などの色が付いた骨や灰が残っていませんか? もしあれば、それは身体のどの部位の骨や灰でしょうか? 龍神が身震いすると、天空から赤鬼が骨壺を持って降りてきました。「我欲」と浮き彫りされた骨壺です。赤鬼は色の付いた骨と灰だけを窟壺に入れました。
22 再び龍神の目の前に、あの光の扉が現れました。すぐに扉が開いて、あなたが龍神の前に出てきました。龍神に喰われてしまう前のあなたがそこに浮かんでいます
 龍神があなたをジッと見つめています。あなたも龍神の目をジッと見つめ返します。龍神の目の中に映ったあなたを見つめます。その瞬間、再び龍神は大量のゲロを吐いて、あなたに浴びせかけました。それはエゴのゲロです。すべてあなたが持っていた、あなたに潜んでいたエゴのゲロです。今やあなたはエゴのゲロまみれです。何を感じますか? どんな感じがしますか? 熱いですか? 冷たいですか? 痛いですか? 苦しいですか? 臭いですか? 重いですか? 目にしみますか? どんな味がしますか? あなたのエゴのゲロがどんどん染み込んでいきます
 再び龍神が猛烈な火炎をあなたに浴びせます。あなたは瞬時に焼き尽くされて骨と灰だけになりました。さぁ骨と灰を見て。どこかに色の付いた骨や灰が残っていませんか? もしあれば、それは身体のどの部位の骨や灰でしょうか? 龍神が身震いすると、天空から青鬼が骨壺を持って降りてきました。「エゴ」と浮き彫りされた骨壺です。青鬼は色の付いた骨と灰だけを窟壺に入れました
23 龍神の目の前に、再びあの光の扉が現れました。すぐに扉が開いて、あなたが龍神の前に出てきました。龍神に喰われてしまう前のあなたがそこに浮かんでいます
24 龍神があなたをジッと見つめています。あなたも龍神の目をジッと見つめ返します。龍神の目の中に映ったあなたを見つめます。その瞬間、再び龍神は大量のゲロを吐いて、あなたに浴びせかけました。それは煩悩のゲロです。すべてあなたが持っていた、あなたに潜んでいた煩悩のゲロです。今やあなたは煩悩のゲロまみれです。何を感じますか? どんな感じがしますか? 熱いですか? 冷たいですか? 痛いですか? 苦しいですか? 臭いですか? 重いですか? 目にしみますか? どんな味がしますか? あなたの煩悩のゲロがどんどん染み込んでいきます
25 再び龍神が猛烈な火炎をあなたに浴びせます。あなたは瞬時に焼き尽くされて骨と灰だけになりました。さぁ骨と灰を見て。どこかに色の付いた骨や灰が残っていませんか? もしあれば、それは身体のどの部位の骨や灰でしょうか? 龍神が身震いすると、天空から緑の鬼が骨壺を持って降りてきました。「煩悩」と浮き彫りされた骨壺です。緑の鬼は色の付いた骨と灰だけを窟壺に入れました
26 龍神の目の前に、再びあの光の扉が現れました。すぐに扉が開いて、あなたが龍神の前に出てきました。龍神に喰われてしまう前のあなたがそこに浮かんでいます
27 龍神があなたをジッと見つめています。あなたも龍神の目をジッと見つめ返します。龍神の目の中に映ったあなたを見つめます。その瞬間、龍神は大量のゲロを吐いて、あなたに浴びせかけました。それはカルマのゲロです。すべてあなたが持っていた、あなたに潜んでいたカルマのゲロです。今やあなたはカルマのゲロまみれです。何を感じますか? どんな感じがしますか? 熱いですか? 冷たいですか? 痛いですか? 苦しいですか? 臭いですか? 重いですか? 目にしみますか? どんな味がしますか? あなたのカルマのエゴがどんどん染み込んでいきます
28 突然、龍神が猛烈な火炎をあなたに浴びせます。あなたは瞬時に焼き尽くされて骨と灰だけになりました。さぁ骨と灰を見て。どこかに色の付いた骨や灰が残っていませんか? もしあれば、それは身体のどの部位の骨や灰でしょうか? 龍神が身震いすると、天空から黒鬼が骨壺を持って降りてきました。「カルマ」と浮き彫りされた骨壺です。黒鬼は色の付いた骨と灰だけを窟壺に入れました
29 龍神が天空に向かって大きく吠えました。そして鱗を逆立てながら何かを吐き出しました。ゲロにまみれていても、それはあなたの仏性です。あなたの本性でもあります。動物の母親が生まれてきた子供にまとわりついている不要なものを舐め浄めるように、龍神のあなたも目の前のゲロまみれの仏性を舐め浄めましょう。きれいに、愛おしく舐め浄めます
30 浄められた仏性は、どんな姿形ですか? それはあなたの仏性です。無始の時以来、ずっとあなたに宿っていた仏性です。仏性が龍神のあなたに話しかけています。その声を聞いて。あなたの仏性とお話をしましょう
31 仏性が我欲の骨壺を覗き込んで、入っていた骨と灰の謎を解き明かして下さいます。どこの骨だったのか? どの臓器や器官の灰だったのか? なぜそんな色が付いていたのか? の謎解きも詳しくして下さいます
32 仏性がエゴの骨壺を覗き込んで、入っていた骨と灰の謎を解き明かして下さいます。どこの骨だったのか? どの臓器や器官の灰だったのか? なぜそんな色が付いていたのか? の謎解きも詳しくして下さいます
33 仏性が煩悩の骨壺を覗き込んで、入っていた骨と灰の謎を解き明かして下さいます。どこの骨だったのか? どの臓器や器官の灰だったのか? なぜそんな色が付いていたのか? の謎解きも詳しくして下さいます
34 仏性がカルマの骨壺を覗き込んで、入っていた骨と灰の謎を解き明かして下さいます。どこの骨だったのか? どの臓器や器官の灰だったのか? なぜそんな色が付いていたのか? の謎解きも詳しくして下さいます
35 仏性が4つの骨壺の骨と灰のすべてを包み込んで、ギュッギュッギュッとおにぎりを握るように固めて下さいました。どんどん小さくなっていき、最後には握りこぶし大になってしまいました。仏性が蓮の花のように開くと、一粒の種が花の中央にありました。その色を見て。香りを嗅いで。仏性がその種をあなたに手渡しながら、とても大切なお話を聞かせて下さいました
36 仏性が鬼たちが担ぐ神輿に乗って天空へと上っていきます。龍神となったあなたも仏性と一緒に上っていきましょう。仏性の神輿は難なく天空の向こうの空性を越えて光明に入りました。そして直ぐに仏陀さまの中に飛び込みました。龍神のあなたも仏陀さまの中に飛び込みましょう。
37 今、仏陀さまとひとつに溶けあっています。仏性ともひとつに溶けあっています。あなたは仏性そのものです。あなたは仏陀です。あなたも仏陀です
38 仏陀さまが涅槃を見せて下さいます。涅槃を味わって、涅槃を楽しみましょう。そこはあなたの涅槃です。無始の時以来、ずっとあなたの故郷だった涅槃です
39 あなたの涅槃のどこかに、持って来た種を植えましょう。仏陀さまも手伝って下さいます。仏陀さまと一緒に植えて、仏陀さまと一緒に両手をかざして種に祈りを込めます。何を祈りますか? 何を願いますか? やがて芽が出て、葉が茂り、花が咲きます。いつか実もなるでしょう
40 これからはいつでも涅槃へと帰ってくることができます。そこはあなたの涅槃ですから大丈夫です
41 新しいこの世へと仏陀さまと共に戻って来ます。そこはもう古い世界ではありません。新しい五次元世界へと戻って来ましょう。そこには新しいあなたの身体、こころ、頭と意識、魂が用意されています。さぁ新しいこの世へと戻ってきましょう。5、4、3、2、1、0。あなたは新しい世界の新しいあなたに生まれ変わりました。内なる仏陀さまを感じて、内なる仏陀さまの声を聞きましょう。

© Terumi Okuyama